これまで北朝鮮に対して「圧力か対話か」
という選択肢が喧伝されて来た。
しかし、もはやそんな局面ではあるまい。
率直に言って、「戦争か譲歩か」
の二者択一こそが問われている。
それが真相ではないか。
では、アメリカは北朝鮮を攻撃するのか。
それは無理だろう、というのが専門家の見立て。
1969年4月15日に米軍偵察機が公海上空で
北朝鮮の戦闘機に撃墜された時の前例があるからだ。
この時、乗員31人全員が死亡。
アメリカは様々な選択肢を検討した結果、戦争を避ける為に
攻撃を断念している。
「本格的な攻撃で北朝鮮の軍事力を一挙に壊滅させない限り、
ほぼ確実に韓国と日本、そして域内に展開する米軍に対する
報復攻撃を招く」
「代わりに(当時の米大統領)ニクソンが取った対応は、
北朝鮮の近海に空母戦闘群を新たに送り込み、偵察飛行を再開し、
護衛の戦闘機を飛ばすこと。
そして米軍に手を出すなと北朝鮮に厳しく警告する一方、
地域の同盟諸国に対しては、アメリカは相互防衛の義務を
果たすと確約した。
全ては北朝鮮がまだ核兵器に手を出しておらず、
山腹に多数のロケット砲を隠していなかった時代のこと。
それでもこれが唯一の選択肢だった。
当時の北朝鮮は今よりはるかに脆弱だったにもかかわらず、
ニクソンもキッシンジャーも米軍制服組のトップも、
『全面戦争を招く可能性の限りなく少ない軍事的対応』
など見つけ出せなかったのだ」(ブレッド・カプラン)。
ならば、現在の北朝鮮にアメリカが軍事的オプションを
発動させるなんて、なおさらあり得ないと考えるのが理性的な
判断だろう。
もしそうだとすると、
消去法で残る選択肢は1つだけ、という事になる。
果たして?