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高森明勅
2018.3.5 22:00

アメリカは北朝鮮を攻撃できない?

これまで北朝鮮に対して「圧力か対話か」
という選択肢が喧伝されて来た。

しかし、もはやそんな局面ではあるまい。

率直に言って、「戦争か譲歩か」
の二者択一こそが問われている。

それが真相ではないか。

では、アメリカは北朝鮮を攻撃するのか。

それは無理だろう、というのが専門家の見立て。

1969年4月15日に米軍偵察機が公海上空で
北朝鮮の戦闘機に
撃墜された時の前例があるからだ。

この時、乗員31人全員が死亡。

アメリカは様々な選択肢を検討した結果、戦争を避ける為に
攻撃を断念している。

本格的な攻撃で北朝鮮の軍事力を一挙に壊滅させない限り、
ほぼ確実に韓国と日本、そして域内に展開する米軍に対する
報復攻撃を招く」

「代わりに(当時の米大統領)ニクソンが取った対応は、
北朝鮮の近海に空母戦闘群を新たに送り込み、偵察飛行を再開し、
護衛の戦闘機を飛ばすこと。
そして米軍に手を出すなと北朝鮮に厳しく警告する一方、
地域の同盟諸国に対しては、アメリカは相互防衛の義務を
果たすと確約した。

全ては北朝鮮がまだ核兵器に手を出しておらず、
山腹に多数のロケット砲を隠していなかった時代のこと。

それでもこれが唯一の選択肢だった。


当時の北朝鮮は今よりはるかに脆弱だったにもかかわらず、
ニクソンもキッシンジャーも米軍制服組のトップも、
全面戦争を招く可能性の限りなく少ない軍事的対応』
など見つけ出せなかったのだ」(ブレッド・カプラン)。

ならば、現在の北朝鮮にアメリカが軍事的オプションを
発動させるなんて、
なおさらあり得ないと考えるのが理性的な
判断だろう。

もしそうだとすると、
消去法で残る選択肢は1つだけ、
という事になる。

果たして?

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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